2014年11月12日

渋沢さんのエライところ「私の財産告白」本多静六

本多さんは渋沢栄一さんのエライところは
いったん引き受けたら最後まで
面倒を見るところと書かれています。

「理・情兼ねそなわった大成功者として、
 私は郷土の先輩渋沢栄一翁をみるのである。

 渋沢さんという人はなかなかの理屈屋で、
 理屈に合わぬことはなんとしても
 取り上げなかった。

 事業でも、寄附でも、身の上相談でも、
 そこに合理性の発見されない限り
 てんで振り向かなかった。

 ところが、いったんこうと引き受けたからには、
 何から何まで親身になってよく世話をつづけられた。
 そこに多少の不合理が生じようと、
 理屈に合わぬことが出てこようと、
 今度は打って変わった人情で押し通され、
 最後まで親切に指導をつづけられた。

 理に始め、情で終わられる、
 珍しい存在であった。

 私が渋沢さんに初めて近づいたのは、
 埼玉県の学生のために
 育英資金を集めようと思い立った時で
 ドイツから帰って間もなくの頃である。

 いったん後援を約された渋沢さんは、
 私などよりもかえって熱心なくらいに
 よく世話をつづけられ、
 いまに牛込の高台にある立派な学生宿舎の
 基礎を築きあがられたのである。」

ここで本多さんは渋沢さんから
発起人である本多さん自身が
いくらお金を出すかを聞かれて
300円と答えられています。

当時の300円がどれくらいの価値かは
分かりませんが学校教師が出すお金としては
かなりの額だったのでしょう。

渋沢さんはそのお金をみて
たちまち真剣な顔つきになり
育英会の後ろ盾になってくれて様です。

立派な人というのは理屈をこねるが
いったん引き受けると
理屈は理屈、人情は人情と割り切って
信義をもってこれらを結び付けて対応されるので
大成されるのでしょう。
posted by 素朴な自由人 at 00:00 | Comment(0) | 思想研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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