邱先生はここでは、年をとっていいことよりも
悪いことが多いと書かれています。
年功序列というのがあって、サラリーは年と共に上がるので、
年寄りは若い人より収入が多いのが日本では常識になっている。
また、組織の中における地位も、年々、昇進することになっている。
従って、それがどこまでも続くとなると、
老人の支配する社会構造ができあがってしまう。
しかし、それは年をとっても老人の能力が衰えないことが前提であって、
ある年齢を超えると、心身共に能力の低下が起こる。
そういう老人にいつまでも頑張られてはたまらないから、
一定の年齢に達成すると退職する規定がつくられている。
そうした定年が体力の衰えとほぼ見合っていれば、
「まあ、仕方がないなあ」とあきらめがついてあまり問題がないが、
定年後もまだまだ元気で、若い者のあいだにまじって働いても
少しもそん色がないとなると、
定年後の人生をどう生きるかという新しい問題に直面する。
ところが、60歳の退職の時は元気だった人も、
65歳、70歳、さらにそれから上になると、
衰えが激しくなっていく。
年のとり方には個人差があるけれども、
年をとることによってよくなることよりも、
悪くなることのほうがずっと多い。
2018年03月20日
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