2018年04月13日

奥様を大切に「鮮度のある人生」邱永漢

邱先生はここでは、将来面倒を見てもらうつもりなら、
ふだんから妻によくしておかなければならない、
と書かれています。

いまの日本は核家族化してしまったので、
結婚して所帯を持つと親と同居しなくなる。
子供が巣立つと、老人夫婦は二人っきりになる。

二人とも元気なうちはよいが、どちらかが患わって
病床に伏したりするようになると、
その面倒を見るだけでも大変なことになる。

一般に女は男より長生きだから、
私たちのように妻の方が何歳か若ければ、
当然、妻の方が長生きで、
こちらの死水を取ってくれることを期待する。

しかし、病気をしている良人の面倒を見てもらうためには、
ふだんから妻に良くしておかなければならない。
若い時はそんなことまで思い至らず、浮気はするし、
仕事で家はあけるし、気に入らないことがあれば、妻につらくあたる。
いやなら別れたってかまわないと大きな態度にでる。

人間は年をとると、だんだん依怙地になって自己主張ばかり強くなるから、
ちょっとのことでも気に障るようになる。
私も気に入らないことがあるとすぐに口に出すが、
家内は私が何か言うと、これまた必ずやりかえす。

そうは言っても、家内は根はやさしい女だから、
誰に対しても面倒見が良いし、だれからも慕われている。
もし私が亭主風を吹かせることが出来なくなって従順になったら、
親身になって世話をしてくれるかも知れないという一抹の期待は残っている。

しかし、それはあくまでも私が先に倒れたり、
先に死ぬことを前提とした話で、もし反対に彼女の方が
先に倒れるようなことになったら、いったいどうなるのだろうか。
どうしたって病院で息を引きとるようなみじめな思いはさせたくないと思っている。
posted by 素朴な自由人 at 00:00 | Comment(0) | 邱先生の思想研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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